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わたしのソファー

カテゴリ:本( 194 )

チャイルド・プア~社会を蝕む子どもの貧困

  

著者 : 新井直之
ティー・オーエンタテインメント
発売日 : 2014-03-15
日本の子どもは6人に1人が貧困である・・・昨年新聞で初めて知ったとき、その事実に目を疑った。
2014年に発行されたこの本によると、日本の子どもの貧困率は、OECD35ヵ国中9番目、先進20ヵ国中4番目であるという。先進諸国における貧困の子どもの約10人に1人が貧困であるという。
私自身、母子家庭で母親は仕事が出来ないという状態で育ち、祖母の年金や母親の障害者手当、離婚した父親からの養育費で生活しており、教材を買ってもらえなかったりイジメなど色んなことがあったが、この本で取材を受けた子どもたちのように、「食べるものがない」という状況ではなかった。その点、私は随分恵まれていたと思う。
取材された子供たちはまず、学校に行けない、まともな食事もできない・・・・・貧しさは、自尊心の育みを阻止する。やるせない。そんななか、NPO法人による生活保護世帯向け学習支援や、スクールソーシャルワーカーの取り組みに対して、地域別にその規模に差が生じるのは仕方ないことだが、なんとかもっと充実できぬものかと思うし、実際にスクールソーシャルワーカーの仕事をしている人は、それだけで生活できる感じではないので、こういう仕事をしている人にもっと待遇を良くするべきだと思う。
助けを求める術を知らない子どもたちは今でも苦しんでいると思うと辛い。来年消費税が上がったら、もっと苦しくなる。

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by umih1 | 2016-02-21 20:46 | | Comments(0)

さきちゃんたちの夜



「なんかこう善人大行進って感じて、ついていけない。疲れちゃう。」


六人のさきちゃん達がでてくる五つのお話。
ほしいよりこさんの絵も素敵だな。ばななさんがあとがきで書いているように、わたしも、ほしいよりこさんの描く女の人が好きだな。表紙のさきちゃんは腕組みをしていてかっこいい。
ばななさんのお話にでてくる女性の主人公たちは、贅沢な物質を欲せず大きな夢に執着することもなく、人の生き方をあれこれ云わず自分のシアワセの軸がブレない。
ふっと心にじわじわくるようなちょっとしたことも逃さず味わっている。
でも本当は、さきちゃんの母さんが「なんかこう善人大行進って感じて、ついていけない。疲れちゃう。」この言葉に一番共感したのだった。昔はこの母さんが、男を釣るような派手な美人だったというところも良かった。
天使の話の中で、さきちゃんに暴言を吐いた女の人、こういうことを言ってしまう人のことをばななさんはどんな風に描くのか本当は読んでみたいのだが、それはないだろうなぁ。

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by umih1 | 2016-02-15 20:32 | | Comments(0)

子どもが動物をいじめるとき


陰惨な事件が起こる予兆として動物の虐待された死体が見つかったり、動物への虐待が少年犯罪・DV・幼児虐待などと関連付けれらることは常識になっている。
自然や社会環境の悪化によりまっさきに被害を受けるのは動物や子どもであるが、その悪化した環境の中でどのようにして犯罪や虐待の連鎖を断つべく子どもを教育していくかということが、親だけではなく大人すべての責任だと改めて痛感させられた。
日本では神戸殺傷事件があったが、殺人者は殺人する前に動物も虐待死させていた。昨年、殺人者は手記を出版したが、その本を置かないという書店もあり大きな批判にさらされていた。
世界は無菌状態にはできない。殺人犯の手記を読んだとき、いじめられている動物を見たとき、人が苦しんでいるとき、子どもがどう感じるかどう行動するかはすべて大人の鏡であると感じた。

自分の小さいころの強烈な記憶のひとつが蘇り、途中苦しくなってしまった。私は鳥を飼っていた。生まれて初めてのペットだった。ある日、幼い私を連れて母は実家のある田舎に数日間帰った。そのあと東京の自宅に戻った私は、大事な鳥を探した。鳥かごもなくなっていた。母を見るとバツの悪そうな気の毒そうな顔をしていた。父を見るとつまらなそうにそっぽを向いていた。
幼い私はそのことに対して何も言葉を発しなかった。ただただ哀しかった。
そのとき一人自宅にいる父は鳥の世話を一切せず死なせてしまったのだろう。そして母は出かけるときに鳥の世話をお願いできなかったのだろう。そこには男尊女卑的な大きな遠慮があったのだろう。たぶん母は、鳥は死んでしまうかもしれないと分かっていいたのかもしれない。そのことを思い出す大人になった私は、両親を責める気持など一粒も持たず、ただただ鳥が感じた苦しみを哀しく思うだけである。

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by umih1 | 2016-02-11 12:00 | | Comments(0)

ラオスにいったい何があるというんですか?


表紙の犬を見て衝動買いしました。
買ってよかった面白かった〜。

ボストン
アイスランド
オレゴン州ポートランド
メイン州ポートランド
ミコノス島
スペッツェス島
ニューヨークのジャズクラブ
フィンランド
ルアンプラバン ラオス
ボストン パート2
トスカナ
熊本県

書き出してみたけど、わたし、一つも行ったことないなぁ。
強いて言えば熊本県は通り過ぎただけ。
やはりアイスランドとフィンランドは行ってみたいなぁ。

「なんだか昔のグループサウンズの歌手みたいで、前髪をはらっとかきあげながらこっちにやってくるとこなんか、色っぽくさえある。」
これはアイスランドの紀行文の中で、馬について語っている箇所だが、
こんな感じでユルユルと笑えたり、
村上さんの目を通すとこんな言葉が出てくるのかぁと感じたり、
やはり作家さんの感性は面白く素敵なものだなぁと思いました。

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by umih1 | 2016-02-10 22:12 | | Comments(0)

ライスストーリーの紡ぎ方



常々なぜ、自分も含め日本人はこうも日本的であり(本音を言わない)、諸外国人とは違うのかと思っていた。
西洋では何とか自我で表と裏を調合し一枚岩になろうと
努力しておりそれに価値を置いている。
しかしこちらは表と深層をつかいわけ若干の二重人格を肯定している・・・ひとつにまとめなくてもOKななかで日常を生きている。
というくだりを読み、それはアミニズムで多神教で自然に裏切られてきた土地柄によりそうなったのだろうなあと思った。
韓国人と仕事をしていてよく言われることが、日本人はまじめだという言葉だ。何を言われているかわからなかったが、なあなあにする方法で適当にして生き延びていけるという発想を持ち得ない日本人というくだりを読みちょっと納得した。
震災では、茫然としていても泣き叫んだり取り乱したりしない日本人は、その裏側では、深い渦に巻き込まれないよう必死にバタバタともがいていた。
そこにはきたやま氏が仰るように、あれもこれもの多神教的な日本人は絶対的なものにはとにかく信を置かない、そこには大きな不信感というものがある・・
自然や人間からの裏切りに対する耐性というか、それはもちろん日本だけではないが、その不信感が自らを生き延びさせる手立てだと考えられるのだろう。
ばななさんの物語についての話が一番心に残った。

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by umih1 | 2016-02-07 12:30 | | Comments(2)



著者 : 姜尚中
集英社
発売日 : 2013-04-05
西山くんは、姜さん自身と亡くなった息子さんを投影した人なんだな。大学生である西山くんのピュアさと真面目さに少し驚きながら読み進める。恋の悩み、親友の死、震災、死とはなんだ?自分のしていることって何の意味がある?
そんな悩みに姜先生は答え続ける。
私だったら何て回答したかな。
親友の死に対して西山くんの周りの人間は、それはそれ、今は今、と言う。近しい人の死を乗り越えることの、部分的な答えがそこにあるとおもう。前に進むことを後押しするのは、何気ない他人の言葉だったりする。
姜さんは、こうして書かずには自分も前に進めかった。子供が先に死ぬことほどこの世で辛いことはないだろう。子供の死ぬ程の苦しみを何故親は分からなかったのかと、責めることは簡単だ。しかし自分を一番責めているのは自分であり、たとえ何かしらの答えを手にしたとしても、出口のない場所を自分の心は彷徨い続けていることに、ふと気付く時、とても切ないだろう。

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by umih1 | 2016-02-06 20:21 | | Comments(0)

男性漂流 



婚活、育児参加、親の介護、アンチエイジング、非正規雇用、これらは女性だけではなく、男性にとっても深刻な問題。
とくに育児参加するのは当たり前という風潮に対して、働き盛りで責任の多い時期にあるイクメンたちのプレッシャーには同情する。自分は子供達を保育所に預け働いていたが、20年前にも関わらず、父親や祖父母の協力を得ている母親は多かった。だから今さらイクメンというのがよく分からなかった。
しかしこの取材を読んで、仕事がうまくいかず逃げ道として育児に集中するとか、パパ育児サークルとか、自分の有能さを誇示するとか、、ますます理解に苦しんでしまった。基本的に彼らは自己中で、みなだんだん親としての成長過程があるわけだが、彼らは子供に育てられた人たちという気がする。そこがとても気の毒になってしまった。
でも最終的に子供は大人になっていくし、そんな父親とも良い親子関係になれたりしている。
最初から立派な親は存在しないだろうが、一所懸命になる部分がズレていては、後の祭りになってしまう・・

介護に関してはいまさらだが、今後の高齢化日本は大丈夫なのか、先行きがとても不安になる。嫁や兄弟のいない息子が親の介護をして仕事までやめて貯金を崩す。そして再就職するには難しい現実。でもそういう事例がたくさんある。仕事が忙しい家庭では、就職を一度もせず介護をする孫娘のようすをテレビで見た。

片やアンチエイジングだが、ED治療で自信を取り戻した男たちの全盛と行く末に、申し訳ないが失笑してしまった。自分の老いを受け止められない。ショックは大なり小なり皆経験する事だが、男も女も、血眼になってアンチエイジングにはまるのは、著者曰く、今の自分を否定する事に他ならない。見ためを若く保つ努力は良いが、何ごとも本末転倒になるのはいかがなものか。しかし人間が不惑の境地に達することはいくつになっても難しいもので、そこが愛すべきところでもある。

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by umih1 | 2016-01-17 22:01 | | Comments(0)

世界一の本の街

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神保町の老舗でバイトしている娘が
もらってきた古書店マップ今年版。
古い喫茶店もあってカレーも美味い。



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by umih1 | 2016-01-10 18:48 | | Comments(5)

犬のちからを知っていますか・尼僧とキューピッドの弓


コリー犬のダンディーさんとの写真が、
たくさん載っています。
いつも一緒に考えていた・・・というコメント付きの写真に思わず微笑んでしまう。
私はこれを、もやもやしていた時期に時間をかけて読んだんです。
こんな年になっても、誰かメンターを必要としているんだなとシミジミ思いました。



ドイツにある尼僧修道院に、取材のため長期滞在している日本人の”わたし”の目を通して描かれる共同生活のようすと、”元尼僧院長の独白”の2部構成になっている。
フェアな人には皆、すこし心を許すものであり、外国人ということもそこに加味されるものである。
第二の人生をこの修道院に捧げる尼僧たちは、離婚経験もあれば子供もいたりする。男性との関わりに疲弊した過去をもっていても、豊かな記憶や想いと一緒に生きている。
最後のほうで、わたし が修道院のことを執筆する(物語る)モードになっていく感覚が面白い。
なにか液体が土に滲んでいくようだった。
そして突然、平面的なものが立ち上がる。

元尼僧院長の独白は、自由意思を求めながら40歳になってしまう、このままではいけないと思ったところから修道院の生活に落ち着いたが、結局は元の夫に絡めとられてしまう。今までの生き方について、自分が選んできた道はないと思ってきたが、すべて自分が選んだことなんだということがわかった彼女は、(カラスになって)修道院を出ていこうとする。

多和田さん凄いです。

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by umih1 | 2015-12-27 22:00 | | Comments(0)

おチュンと隠居したい



昨日は美容院へ行き、炭酸パックヘッドスパをやってもらった。
もし頭痛だったら治ったろうなレベルの気持ち良さだった。
今日は犬たちを獣医へ連れていき、予防接種をしてもらった。
二匹とも口の周りがだいぶ白くなってきましたねえ。
と獣医さんに云われた。
ラニちゃんは・・・そうかあ9年だものね。
もらってきた足でそのまま、ここで見てもらったんだっけ。
ジローはちょっとした段差でこけるし・・・
人も犬もしっかり年をとり、なんだかそれが哀しくもあり嬉しくもある。



群れ。鳥の群れ、魚の群れ、荒野を走る動物の群れ。
その流れを止めることは難しい。
勢いのある流れをせき止めるには、大きな力が必要だ。
しかしその力は、自分の感受性を高めることから発し、少しの違和感にも敏感に反応し思考することから始まる。
それは14歳でも30歳でも50歳でも同じだ。
最後の、14歳のコペル君の言葉が力強く、良かった。
梨木さんは単純に戦争反対を書きたかったわけではない。
忙しい子どもや疲れたオトナにも、お勧めしたい本です。



佐野洋子という文字を目にしたら、持っている本でも必ず手に取ってしまう。
こんな対談集があったとはなぁ。
西原さんとの話しには可笑しくって、西原さんも凄い人だなぁと、、
以下ツボ
あのときやったおけば良かった大会っての、やったわ。断らずにもったいぶらなくてもよかったのなぁ。
2度目の結婚相手から、あなたは人から影響を受ける能力がないんだと云われ、ひとつぐらいはと思って、あわかった。あんたといっしょになってガスの元栓、閉めるようになった。って。
イビョンホンはね、口を少し開いてるとき、唇の両端に薄い膜ができるのね。そこに色気を感じるの。


リリーさんとの対談もまぁ面白かったけど、次の対談の前に佐野さんは死んじゃった。お題がエロスだったので、残念。
佐野さん曰く、わたし弱い女の人って見たことないわ。どんなに弱々しくてなよなよしてても、弱くなんかないんだよー。




今まで生きてきて、いったいなんど、ひとの言葉に笑い感心し、救われたことだろう。ほとほと女がいやになるなぁこの男社会・・・とか、なんで努力してるのにあたしのこと尊重してくれないのよぅ・・・とか、なんでこんなにこっちばっかり気を遣わなきゃならないのよ・・・とか、もう身体こんななのに大丈夫ですなんて言わなきゃならないの大人ってめんどくさ・・・とか・・・
この世の不条理を嘆きたいときに、田辺聖子さんの本を読む。
と、やはり笑えて肩の力が抜けるんですね。
”ありの~ままの~”なんて、いい大人はやっちゃいけません。田辺さんみたいに、上機嫌を自分でつくって生きていかなくてはね。




14歳の美少女りくは、東京の家から、関西の親戚に預けられる。関西の家庭のようなこんな家は、幻のように思えてしまう。ほんとにこんな家庭があって、そういうところで育って、年取って死んで、そしたらなんて幸せだろう。
りくのお母さんを責める気なんかひとつもない。こうなってしまう理由とかそれぞれの立場生き方があるし、本当のところは誰もわかりっこない。
関西のおかんと、お嫁さんのちょっとした会話や、おかんとおとんの会話、おかんとおとんと鳥の会話、おかんと息子の会話、孫の可愛らしさ優しさ、、、こんなのに囲まれてたら、、、
時坊との電話のあと、わたしも14歳になってしまった!気がついたら泣いてしまっていた!




裏寂しい北海道のラブホが舞台となれば、人には知られたくないこと、人にはいえないことがたくさんたくさん・・・

固くふさいだ唇の裏側まで、ざらついたものは体中に充満していて、他人のことも、自分のことすら、ホントのところ何もわかっていない、と思ってしまう。

一番好きな章は、
ラブホテルの掃除のおばさんのところ。
これほど邪気のない女性が、激しい疑問に慟哭する場面は胸に突き刺さる。そこだけが好きだった。




3年前に失踪し自殺したと思われる夫が、残された妻を連れて旅にでる。それは夫が滞在した場所を、ふたりで逆に辿る道であった。
ものごとを形容する言葉は、作者によって違う、それが楽しみなことであるけど、特にこの本は素晴らしいと思う。
水の音、記憶の音、こころの音、水の色、記憶の色、こころの色・・・それらが的確な形容で語られているような、もうこれしかないだろうって思えるような。

死んだ大切な人と旅をするということに、まったく違和感がなくて・・わたしもよく、いまだにそんな感じの夢を見たりするので、、、なんとも言い難いその感覚を言葉にしてしまう作家、という職業に憧れを感じる。

映画になったらしいので観たい。
深津絵里さんと、浅野忠信さんが主演。
ぴったりだと思う。




クレランスという名のスズメと、洞察力の強い愛情深い女性との、十数年間もの生活が綴られいる。それはまるで想像できるものではなく、ページをめくるごとに驚きと感動の連続であった。
人以外の生き物も、これほどに豊かな感情や能力があるということを知らない人がいたら、ぜひこの本を薦めたい。

鳥好きな梨木さんの愛も感じられる。
60年くらい前にベストセラーになった本ということだが、ずっとずっと読み継がれて欲しい。
すばらしい本に巡り合えてよかった。




お経を聴いていると、何かと一体化する感覚になる。素晴らしいです。
今までyoutubeで聴いていたけど、これが一番かっこいい。
CDで聴くと迫力が伝わる。

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by umih1 | 2015-11-29 20:50 | | Comments(8)
Days of Wine & Dogs
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