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わたしのソファー

2015年 12月 26日 ( 1 )

おんな


喫茶店のコーヒーはすごく熱い。
カップに唇をつけ恐る恐る飲む。
湯気が顔を湿らせる。
カップを置く音を確かめる。

ひとりでいると
昔を思い出すがそれはあまり良いことではなく30年前にワープした時間から、今に追いつくために走らなければならなくなる。しかしうまく止まらなければ 例えば、あるかわからない未来の雲の上から落ちてしまいそうだ。

だからこう見えても脳内は、
けっこう忙しいのだ。



ひとつ向こうのテーブルに座る女たちは私と同じくらいの年かと思う。
美しく手入れされた爪を持つその人たちは
お洒落なランチプレートの写真をとってワイワイしている。

年を重ねるって・・・
いつまでも女としての・・・

吹き出しそうになる。
そして私は自分の手をみつめてみる。
縦筋が入っていて爪も筋だらけだ。爪の筋は老化現象だ。でも私はこの手が好きだ。
手をじっと見ていると、褒めたくなる。

彼女達も褒めたくて、ご褒美に爪を綺麗にしているのかもしれない。
私はお婆ちゃんになったら、爪を綺麗にしてもらおうと思った。
お婆ちゃんになったら派手な色の服を、私の体に着せてあげよう、お婆ちゃんになったらおしゃれな帽子を頭にかぶせてあげよう。
その時私は、私自身の今の外見に充分満足していることに気付いた。スタイルなんか良くないし顔も年取ったし、センスだって良くない。でもなんだ、満足しているじゃないか。



『あなたはわたしの、いったい何がわかるというのか。』

私の信条は、大げさにいうとそういうことだから、その女たちのそれぞれの人生を勝手に想像する。とくに同性に対して、批判しそうになったら共通点を探すのだ。
子育て、介護、近所付き合い、陰口、マタハラセクハラパワハラ夫のモラハラ、キリのない家事、お金のやりくり、更年期、嫁姑、、、
女性が輝く時代云々、いまだにそのフレーズを語る人がいる。

帰ろうと席を立った私を、彼女たちは上から下まで一瞥し、それぞれ関心のある箇所を凝視している。
私はあなた達のズルいところに関心がある。どんなふうに狡猾になるのか。私のズルさと比較してみたい。






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by umih1 | 2015-12-26 17:00 | 思う事 | Comments(8)
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