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わたしのソファー

辻   古井由吉


著者 : 古井由吉
新潮社
発売日 : 2006-01-26
12の短編が、最初は 辻 を繋がりにして、話自体も繋がるのかと思っていたが、ああなんだ、繋がりが途切れた・・かと思えば、少しづつ形を変え深く掘ったり浅く掘り足したり・・・
物語同士、奇妙なずれがあるので執拗さを感じさせず、意味のとれない文に行きつ戻りつするためか、物語の進み具合まで奇妙さを帯びる。

老いた先の、正常さの中の静かな狂気は、徐々に大きくなる。それを繰り返す。
男女の交わりは畳の上に敷かれた薄い敷布団の中で、何度も過去と先を繰り返す。
不可思議な記憶をも繰り返し、しまいには一体誰がどうなのかあやふやになってしまう。
それらは 不安 という感覚をもたらす。
しかしいつのまにか、その不安感に包まれるのが心地よくなってくる・・・
これは、中毒のうちに入るだろうか。

なぜこの作家の本を読まずにきたのだろう。
顔も名前もよく知っていたのに。
濃くて時間のかかる、片手間では読めない話を書く小説家。
次は何を選ぼうか、選集も出ているらしいが。

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by umih1 | 2013-07-15 16:25 | | Comments(0)
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