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わたしのソファー

Breakfast at Tiffany's



カポーティーの新訳本は、まず装丁に惹かれて買ってしまった。
美しいティファニーブルー。
そのあと、50年前のものも読んでみた。
読み比べは楽しかった。


主人公ホリーの奔放さに惹かれる。

彼女の鳥かごの扉は、いつでも開いている。
開いていても飛び立てない女の方が「普通」であるが、彼女は優雅に飛び立つ。

まったくバカな女だと言えないのは、したいと思うことをするという、
ただそれだけのことを求めていく、ある意味大変難しい生き方をしているからだ。

大人になると、優先的にしたい事をするのは難しくなる。
しなければならないこと、した方がいいこと、そういうことを優先してしまう。
しかし、こういう義務がなければ自由もない。それはそうだが、本質的にホリーの生き方は、そういうこととは別ものなのだ。
自分自身から自由だともいえるホリーは、病む部分も持ち合わせている。
アンバランスさはこういう女の魅力だが、病むということは自分に対峙している証拠である。自由である彼女は、実のところある意味逃げ場所がないのかもしれない。

こういったアンバランスさを絵のように描くカポーティは、やはり素晴らしい作家だ。

小説に限って言うと、大人の男が使う「僕」という言葉はあまり好きではない。
しかし、人を好きになる、どうしても魅かれるその感情の不思議も面白く、やはりこの物語の語り部は、「僕」であるのがふさわしいと思った。
谷崎潤一郎「痴人の愛」のなかの、ナオミという女の魔力に抗えなくなる男の性(さが)に共通する部分を感じ、自らの弱さをこそこそ庇うような気がして、最初は嫌悪感を感じたが(笑)。

およそ50年前の龍口氏の翻訳版も今回続けて読んだが、翻訳でここまで変わるのかと驚愕した。

特に、短編の「花盛りの家」「ダイアモンドのギター」「クリスマスの思い出」の、村上氏の翻訳は本当に素晴らしかった。物語そのものの素晴らしさが、より際立つ。
カポーティは昔から好きで読んでいたが、新訳がでたら読み比べというのも楽しいものだ。



こちらは、およそ50年前の翻訳。

表題作の翻訳は、硬い感じのする場面が多々あるが、悪くはないなあと思う。
ホリーの魅力はここでも眩い。

しかしあの場面で、彼はホリーのことを殴ってはいないと思う。
彼の性格を考えると、まったくこれだけは理解できない。

この訳者の『冷血』、また読みたくなった。

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Commented by Gabrielle at 2012-12-21 09:06 x
へぇ。読んでみたいわ。なんか所詮人は「強い人」に魅かれる傾向があるように思う。
その強さがどんなものであってもね、良くも悪くも。
Commented by umih1 at 2012-12-22 16:26
gabrielleさん

強さって魅力あるよね、どんなもんでも。
でも弱さもおもしろい。
弱い部分に共感したりね。
あたしは寒さに弱いよー(。-_-。)
寒くて頭痛くなるのよ、、、
あ、そういう意味の弱さじゃないわ、、
Commented by gabrielleraphael at 2012-12-23 02:00
寒いって何度? 仙台に電話して、寒い寒いって言われるから、マイナス5度くらいですか?て聞いたら、2度だって。
寒くないぞ、2度は!! 帽子をかぶりんしゃい。
Commented by umih1 at 2012-12-23 20:42
ガブさん
仙台よりあったかいよ、ここ(笑)。
だってだってぇ、さむいもーん。
あはは・・・フランスに比べたら南国かしら。
散歩用に、300円で耳あて付きの帽子かったけど(2年前)、
極寒の地にいる人みたいで笑えるよ・・・だからあまりかぶらない。普通のニット帽を買おうと思うよ。

by umih1 | 2012-12-18 21:43 | | Comments(4)
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