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わたしのソファー

小川未明



25編の物語。

一昔前の、みな貧しかったころの日々の暮らしを包むような、
ちょっと不思議な感じの物語や、
それでいてちっとも説教臭くなく、
ほうっとするお話もあれば、哀しくてしようがないお話もある。
そのなかで、一番気にいったお話というのは、
「とうげの茶屋」というお話だ。

おじいさんが一人、とうげで茶屋を営んでいる。
女房は先に逝き、ひとり息子は都会に働きにでて、お嫁さんをもらった。
おじいさんはいつもニコニコして、みんなから好かれている。
しかし時代の流れには逆らえず、不安に心が揺れたりもしたが、
ある母子をもてなしたあとに思う、
おじいさんの心持がなんともすがすがしく、
最後の5行には、こういうものこそ、
生きている者がもつ「宝」なのだと思った。

わたしもこういう老人になりたい。
このおじいさんを、とても尊敬している。

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Commented by おやスケ at 2012-09-23 22:19 x
峠の茶屋のおじいさん、私もよく覚えてます。この話が少し変形した夢になって出てきたくらいです。峠とか、町が、生まれ育った田舎の風景だったりとか。いつの間にかおじいちゃんが自分だったりとか。
Commented by sarakosara at 2012-09-23 23:48
小川未明のお話大好きです。
月夜と眼鏡も、そこはかとやさしい雰囲気がして好き。
いちばん好きなのは、赤い蝋燭と人魚。
暗い海と赤い蝋燭が印象的で哀しいお話だったけれど、妙に心惹かれました。
うみちゃんの好きな「とうげの茶屋」はまだ読んでないの、秋の夜長にこんなお話、読んでみたいな。
Commented by Gabrielle at 2012-09-24 18:06 x
峠の茶屋という言葉がまず、とてもいいわね。なんかのんびりした感じで。
峠の茶屋の主人がきれいな未亡人とかだと、「砂の女」みたくなったりするんだろーか。??
Commented by umih1 at 2012-09-24 21:47
おやスケさん
ああ、おやスケさんも記事を読んで、わたしも読んでみたのです。
それにしても、おやスケさんが峠の茶屋のおじいさんになった夢を見るなんて。でも、わかります。この老人の姿は、理想なのです。
こんな心持の老人になりたいものですね。
Commented by umih1 at 2012-09-24 21:53
sarakosaraさん
さらこさん、お久しぶり・・・忙しかったのですね。ちょっと心配しておりました。
月夜と眼鏡ですか、それも良いですね。おばあちゃんがでてくるお話。わざと騙されてあげる、その様子が、おばあちゃんが今まで、どんな風に生きてきたかが分かる気がします。
人魚がでてくるお話は、童話らしくって、哀しいお話でなければならない気がします。人魚にしても雪女や鶴の恩返しにしても、必ず哀しいことになってますよね。
ああ、峠の茶屋は、日々の忙しさに疲弊した時こそ読んでいただきたいのです。
Commented by umih1 at 2012-09-24 21:57
Gabrielleさん
そう、峠にぽつんとある、皆が目印にする茶屋なの。皆の灯りなのね。
ふふふ、まさか砂の女がでてくるとは思わなくって、コメント読んだとき、爆笑してしまった。
阿倍公房も笑ってるよ。
確かに、峠にぽつんとある茶屋に美人な未亡人がいたら、何かがおこるでしょう。
by umih1 | 2012-09-23 18:31 | | Comments(6)
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