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わたしのソファー

しかたないこと 「見知らぬ場所」



見知らぬ場所 (新潮クレスト・ブックス)

ジュンパ ラヒリ / 新潮社





「停電の夜に」「その名にちなんで」の次は、また短編集(というより中編)。
何年振りの小説でしょうか。さらにグレードアップしている。
インドのベンガル系のルーツを作品ごとに変えてベースにしているが、どれもこれも、別の人生を描いているからだろう、まったく飽きることがない。

ぜんぜんハッピーエンドではない。
End・・何かの終わり。
それが絶望であっても時間は過ぎゆく。
大なり小なり皆に訪れる瞬間。誰もが経験すること。

アル中の弟に娘を預け、結果、夫の信頼を決定的に失ってしまった瞬間。

母親が恋に絶望し、灯油をかぶって自宅を庭から見つめていた瞬間。

子どもの時から大切にしていたバングルをなくしてしまった。
探すことをせず飛行機に乗ることを選択した瞬間。

家族との関係が変化してゆくなかでの感情のゆらぎ、機微、直せない性分、
否定と拒否を含む関係、受容、そういうものの中で人は生きている。
それはやはり、おもしろいことである。

子どもに恵まれていても、お金に不自由していなくても、人は淋しい。
心に漠然とした不安を持つことは、しかたのないこと。
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by umih1 | 2012-08-04 17:19 | | Comments(0)
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