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わたしのソファー

アゴタ・クリストフ 「昨日」




昨日 (ハヤカワepi文庫)

アゴタ クリストフ / 早川書房





著者は、ハンガリーを出国しスイスに定住した人である。
亡命した後の安心と引き換えに、母国を思うが故の、砂漠のような生活。
砂漠の表現を、彼女は外国語で著わし、デビュー作で有名になった。

砂漠を心に持つということは、それは辛いほどの郷愁や満たされぬことであり、
繋がった一部分をむしり取られている状態、つまりは流血の状態である。

人はそれぞれ、その心に砂漠をもっているだろうと思うが、
私に限って言えば、砂漠を心に持つということは、現在、安全な生活をしているということでもある。
命や人権を脅かされているような生活をしている人々は、砂漠すら心には持てない。
あるとすれば恐怖と絶望、そして少しの希望かと思う。

本棚を探したらあった。20年くらい前に買った「悪童日記」。
もう一冊、次に出版された本は見つからなかった。再読したい。
著者は昨年の夏、亡くなった。
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by umih1 | 2012-06-03 16:19 | | Comments(0)
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