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わたしのソファー

佐野洋子 シズコさん




「シズコさん」 佐野洋子


佐野洋子という名前から連想するのは、
個性的な人間、100万回生きた猫、谷川俊太郎さんと結婚していた人・・・

随分前にエッセイを読んだ時、なんだかスゴイ人だな~と思った。

シズコさんという名前は、佐野さんのお母さんの名前である。
母親との確執と、老人ホームでボケていく母親への気持ちが交差する話しである。

同じ親から生まれても、まったく兄弟のタイプが違うように、
人はそれぞれ持って生まれた気質がある。
どうしても合わない、どうしても釈然としない、そんな関係が親子でさえあるものである。

昨日、佐野さんの本を調べていたら、実は佐野さんはガンで余命も長くないということを知って愕然とした。
今日、この本を読み進めていたら、最後の章で、乳がんが骨に転移した・・ということが書いてあった。
この本が出版されたのは2008年の頭なので、もう2年経った。
一番新しく出版された本を、急いで注文した。


「ごめんね、母さん、ごめんね。」
「母さん、ボケてくれてありがとう。」
号泣し、触れるのさえ嫌だった母親と抱き合い、佐野さんは「私は何かにゆるされたと思った。何か人知を超えた力によってゆるされた。」
「何十年もこりかたまっていた嫌悪感が、氷山にお湯をぶっかけたように溶けて行った。」
あまりの嬉しさに河合隼雄先生に分厚い手紙を書いたそうである。
この部分は圧巻であった。


何よりも必要なのは、自分が自分のことをゆるすということなのだと思う。
そこに甘さなどかけらもなく、納得とも違う、ゆるすということ。
折り合いをつけることではなく、すべてOKということ。
いいこともわるいことも。
ゆるすまでの長い時間と苦痛、それを超えてこそ、いいもわるいもなくなるのだ。
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Commented by at 2010-01-17 16:42 x
泣きました・・ところどころ。母親を嫌いだったんだよね、洋子さんは。でも結局最後は・・・。最後のページは、何度読んでも涙が止まらないです。大切な1冊です。
Commented at 2010-01-17 16:53
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by umih1 at 2010-01-17 17:30
菫さん
不覚にも泣いてしまった。最後の方で、ばーっと涙が止まらなくなってしまった。佐野さんはあのシズコさんあっての佐野さんなんだなと思いました。
母親をあそこまで嫌う・という自分のことに、ずっとずっと引っかかってたんでしょうね。
佐野さん良かったね、と思いました。
Commented by umih1 at 2010-01-17 17:44
鍵さん
母と娘は同性であるが故に、親子の数だけ大なり小なり確執があるのだろうと思ってます。完璧な親なんかどこにもいないのに、子供はそれを、とくに母親に求める場合が多いんだろうな・・・とも思います。

その子は、最初から鍵さんを責めたことはないと思います。
心に宿っているその子は、自分をゆるしてあげてほしいとずっと思っていたと思います。
自分をゆるす・・・ということは、本当に時間のかかるものだし、辛い時間が経過しなければ難しいと思います。時間て、時には残酷なものでもあり、味方になってくれるものでもあるんですね・・
by umih1 | 2010-01-16 16:35 | | Comments(4)
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